税制 2014 11 24
書名 税金を払わない巨大企業
著者 富岡 幸雄 文春新書
私は、「法人税 2014 11 23」という文章を書きました。
これを読んで、「本当か」と思った人が多いでしょう。
確かに、税の専門家でない私では、説得力がありません。
そこで、ちょうどよい本はないかと思っていたら、
税の専門家による「説得力のある本」が出版されていたのです。
この本の表紙には、大きく書いてあります。
ソフトバンク 0.006% 純利益788億円 納税額500万円
ユニクロ 6.92% 純利益756億円 納税額52億円
私は、税制については、昔から、こう思っています。
人々は、税率が高いからこそ、節税に励むことになる。
個人も法人も、最高税率は10%程度でよい。
その代わり、収入・資産を正確に把握する。
今から10年ぐらい前だったと思いますが、
アメリカのブッシュ政権時代に、税収に困っているという話を聞いて、
このようなことを書きました。
世界には、租税回避地が、たくさん存在する。
そこから調査を開始すべきであると書きました。
私は、こう思ったのです。
アメリカの軍事力を背景にして、
NSA(エシュロン)の情報収集能力を活用し、
さらに、軍事衛星(偵察衛星)も活用すれば、
不可能が可能になる。
高度な軍事技術を税収確保に活用すれば、
地球に住んでいる限り、追跡可能であると思いました。
これは、今から10年も前の話ですので、
話題としては、古くなってしまったかもしれません。
法人税 2014 11 23
前々から気になっていたことですが、
法人税の税率について、日本は高すぎるという議論がありますが、
これは、全く表面的な議論に過ぎないのです。
実は、税率が50%でも70%でも高くないのです。
要するに、痛くも痒くもないのです。
こうしたことは、みんなサラリーマンで、
税金が、給料から源泉徴収されているから、
よくわからないかもしれません。
確かに、売上高が1億円で、必要経費が2000万円だとすると、
課税対象となる所得は、8000万円になってしまい、
それに法人税が50%だったら、本当に「重税」です。
しかし、必要経費を9000万円も計上すると、
課税対象となる所得は、1000万円に過ぎないのです。
この所得に、法人税の50%だったら、痛くも痒くもないのです。
本屋では、「必要経費で落とせない経費はない。
何でも経費で落とせる」という本が売っています。
そのほかに、優遇税制を利用すれば、
「課税対象となる所得」は、極端に小さくなってしまいます。
だから、「極端に小さくなった所得」に対して、
税率が50%でも70%でも、痛くも痒くもないのです。
そういうわけで、日本は法人税の税率が高いとか安いという議論は、
いったい全体、何のための議論だか、わかりません。
昔、私は、知人に会うと、
よく「儲かっていますか」と聞いたものでした。
そうすると、知人たちは、
得意げに、「こんなに儲かっている」と話すのですから、
私は、意地悪をしたくなって、
「じゃあ、税金は、いくら払っていますか」と聞くと、
急にヒソヒソ話になってしまいました。